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気ままな感想・考察ノート。基本的にネタバレです。
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今回は隻狼考察の関連として番外編的な考察です。

 

吸血鬼やミイラや狼男など「ゴシックホラー」の要素をもって構成された隻狼の前ゲーム「Bloodborne(ブラッドボーン)」の考察まとめとなります。

(個人的には)「隻狼 (SEKIRO)」との関連・共通点となる設定が非常に多く見られると思われたため、簡単にまとめてみました。

いつもどおり「テキストをそのままの意味では読まない」と「隻狼の考察を輸入する」で得た内容なのでこちらもあくまで自己流考察です。

 

 

結論を先として、「Bloodborne」のストーリーをわかりやすく述べると、

ヤーナムはじめゲーム本編の奇妙な時空は、主人公にあたる上位者が人(眷属)だった頃、

古い上位者たちの情報を教授する「人類啓蒙」のため公開した数百年分に及ぶ『自伝』、

それを元にとある理由(瞳の伝授強要)のため、第三者が悪意をもって再構成した『悪夢』の中に

上位者自身の精神が「自分の過去に似た世界」に閉じ込められた際の出来事である、と読み解きました。

 

新旧市街が両立、騎士剣から銃まで登場、という時系列混合の理由は「夢」。

悪夢の中で示される情報を整理することで、一本筋の通った「過去」が見えます。

情報を細かく整理した結果、主人公の上位者は「転生」の途中にあり、海中の母体の腹中の赤子の状態と予想されました。

幼年期エンドで「再誕」し、母に抱かれるのは狩人様こと主人公、ウィレーム学長です。

 

すべて(一部対話を除く)は架空だが、読み取れる情報部品は『過去』を断片的に示し、

かつ悪夢の進行の中で主人公は他の上位者たちに呼びかけ『夢』を高次元として利用し

『現実』と未来を動かす試みを行っていたことが終盤のストーリーに繋がると考えています。

 

なお主人公は血の意志の収斂で血中に多くの狩人の情報を持っているため、

夢の中での狩人姿はおそらくそこから一人を選択したものとしています。

 

細かい点については、以下に。

 

 

追記:

「どうしてそうなるのか」という声を頂きましたので

読み方について次の考察に少し細かく追記してみました。どちらから見てもOKです。

 

(番外編2)【Bloodborne】ブラボ考察からの隻狼考察

http://panzervor.tou3.com/0004/sekiro_kousatsu_bb2

 


 

 

前提情報および気づきの共有

 

■隻狼からの情報として

・「超越者」(上位者)は自分の「涙」を特殊な血筋の者(白の女)に飲ませることで赤子に転生可能である(拝涙/瞳のひも)

(「転生」とは唐突なようだが、女性が吸収した全ての血の意志=全ての人格を自分でなく赤子に継がせる、の意である。作中の語で言うならば「再誕」の「赤子」にあたる)

・転生で産まれた人物は超越者の記憶や能力と、特殊な「瞳」を持つ

・白い一族は飲んだ魂を混ぜ綯い(呪い)産む力がある

・黒い一族は血が炎上爆発し、魔性の者を祓う力がある

・白黒どちらも殺した者の魂(形代/血の意志)を吸収し得る(黒は焼き消すことも可)

・一定以上の魂を集めたものが超越者となり、眷属の保持や転生を可能とする

 

 

■前提としての気付き

・「啓蒙」は異形に遭遇した瞬間にも上がることから、異形に関連する情報知識なのでは

・未見の狩人を召喚できるのは、つまり以前の経験を記憶(夢)の中で繰り返しているからでは

・「啓蒙」は記憶の一部分、何者かにそれを奪われて悪夢を見せられているのでは

→つまり主人公自身が「狂人の智慧」の狂人であり、同様に「上位者の叡智」の上位者でもあるのでは?

 

・何か目的をもってヤーナムの夢を見せられているのなら、カインハーストや辺境は雰囲気が異なりすぎる

→主人公の過去の記憶、主人公自身の姿が悪夢の中にある可能性もあるのでは。

 

 

補足として、主人公の過去姿と想定したのは特殊な血筋や二人限定のはずのカインの眷属、

および上位者とビルゲンワース学生以外で特殊な情報(啓蒙)を持つと想定される者、

「アルフレート」

「カインの流血鴉」

「さまよえる血の狩人レオー」

「連盟の長ヴァルトール」

「ウィレーム学長」そして

「上位者エーブリエタース」です。年齢順に並べることで、ブラボ世界の時系列の整理ができました。

(女王殺しやローゲリウスは確証持てず)

 

 

 

■途中段階での気付き

・「警句」の裏側と「教会」の非連続性。

・「夢」はいくつかの国家、また数百年分の記憶をひとつの夢としているのでは。

・「アメンドーズ」とは花の名の複数形。本来であれば女性に名付けられてもおかしくはない。

・「神秘」とは神々(上位者)を秘す意志を示した言葉ではないか。

・「星」「宇宙」は宇宙人的な外見と結び付けさせたフェイクで、実は比喩表現ではないか。

・エーブリエタースは腹部にロック可能。何かを妊娠している可能性がある?

 

ローレンスとウィレームはそれぞれ活躍した時代が数百年ほど離れており、

中世の教会と近世の医療教会は接続していない、と考えると情報整理や辻褄合わせが進みますが

「かねて血を恐れたまえ」の警句の記憶シーンが巧妙に「同時代のもの」として誤認させています。

 

他のそれぞれの単語も特に映像の印象からミスリードを誘う力が非常に強いもので、よく練られ考えられているという点はこういう辺りに感じました。

 

 

そして「すべての動機を明らかにし、台詞やテキストの辻褄を合わせる」を信念(?)として仮組みしたブラッドボーンの時系列整理は以下となります。

Twitterでまとめたもの(多少改版)をベースに、一見イミフな点もあるので一応補足を入れてみました。(それでも分かりにくいとは思いますが)

 

 

 

ブラッドボーン 時系列考察

【1】

 

主人公、中世英国の魔女伝説の村に産まれる

アルフレートと名付けられる

 

教会の軍隊「処刑隊」が魔女狩りで村を襲撃

しかし唯一生き残り、処刑隊の一員となる

 

魔女血族狩りの一端でカインハースト襲撃

しかし女王に魅了され、その眷属騎士となる

 

 

【1】補記:

・ゲーム本編の前に、とある人物の数奇な一生、「過酷な運命」が開始して終了している。

英国、エジプト、は正確には異邦とローラン/ヤーナム(イメージし易いためあえて明記)

 

・魔女狩りの想定は初期設定「村の生き残り」「暴力的過去」及び「従軍体験」より。

ちなみにハンマー、焼きごて、刃物といったヘムウィック衆の武器から「革製品の製造」を生業にしていた可能性が見いだされる。アルフレートの過去の「獣狩り」は文字通りのハンティング、家業の手伝いである。

 

「特別な血筋」については隻狼より、主人公は血が燃える血族と想定。

(女王の台詞や、OPの炎上、血質による弾丸火力アップに用いている点が補強)

 

・隻狼より同様に、女王ヤーナムおよび女王アンナリーゼは魂が混ざる白い血族と想定。

 

・血液で回復する特殊能力はカイン眷属となった際の能力である。異様な長命(人の10倍程度?)も同様。

 

・武器として異質な車輪の狩人証は神秘属性から、現実には存在していなかった疑いがある。頻繁に反転する「正しい運命」の自己人格の評価?

 

 

 

【2】

 

エジプトで血族の遺跡荒らし中の教会に潜入

狩人狩りアイリーンの弟子となる

裏切って流血鴉となり、穢れた血を持って離脱しカインに帰還

 

しかしカインで産まれた血族の双子を残し逃亡

エジプトの遺跡を彷徨い「虫」などの知見を得る

やがて同盟の長となりエジプトの遺跡を封鎖

 

人類に啓蒙知識を与える大学を設立

ビルゲンワースと名付けたそこで

学長ウィレームを名乗る

 

 

【2】補記:

「狩人が英雄だった時代」「もうずっと前の話」、宗教的遺跡荒らしの冒険者・古狩人の時代は中世。

医療教会の人さらいと墓荒らし、用心棒、および啓蒙の狩人である聖歌隊は近世の狩人たちである。

 

・アルフレートの情報は順序はバラバラだが「血をカインに持ち帰られた」「穢れた血族が産まれた」「その犯人はビルゲンワースにいた」事実関係は矛盾しない。

 

・狩人狩りは最初の「狩人」老ゲールマンが率いる黒の狩人「烏」の古工房。

ダンジョンから獣の病を持ち帰ったものを密かに排除する暗殺チーム。

某神父の教会かとも思われるがそこはまだ確証なし。

余談?になるが狩人狩りの裏切りは獣の病の予防の停止を意味する。旧市街の悲劇の引き金である。

 

・カインで産まれた穢れの血族は、二人だけの眷属となっていた女王と主人公の娘。

隻狼より、上位者の出産=転生と読み解いており、産まれるのは女性に限定される。

 

・アンナリーゼの血族=白の血族で、女王は瞳ではなく妊娠出産からの転生という手段を用いた。

「不死の契り」の相手は配下の眷属=主人公で、身分差から認知されないその子は主人公が気にかけるべき「憐れなる落とし子」つまりアメンドーズという名がそこに嵌る。

アメンドーズは本来は(桜に非常に良く似た)花の名である。

 

・複数形であるが独特の出産方法であり複数回ではないであろうことから双子の姉妹が想定され、しかし女王の魂を継げるのは一人であるため

必然的に双子のもう片方は魂なし=「人形」と呼んでも良い存在となってしまうと思われる。

 

・双子の姉である「時計塔のマリア」は両親、女王の魂主人公の爆炎血質を継いだ。

なお「火薬庫」も偶然に?同じ爆血の血族だったと予想される(カインの武器を真似できたこと/名前があまりにもそのままなので)

 

・主人公の急な叛意は女王の転生に伴う魅了呪術の解除等かと思われるが詳細は不明。

アルフレートの怒りやヴァルトールの使命感から推し量るしかない。

 

・なお両親のない姉妹の運命は赤白リボン姉妹で悪夢中に表現されている。リボンはre-borne、再誕の「拝涙」である。

 

 

 

 

【3】

 

学長はしかし一般社会には狂人扱いされ

警句を作るも離脱者が続出し

残ったのは彼を慕う孤児院と

サイコなオカルト学生だけとなる

 

オカルト学生たちは「瞳」の力を求め

他人を意図的に病に落とし脳を確認する等

啓蒙知識を元に暴虐さを増していく

 

学長は神(上位者)と啓蒙を逆に徹底的に秘すことを決意

自ら海底神秘の上位者エーブリエタースとなり

孤児を使い啓蒙と聖杯儀式の隠蔽を図る

 

 

【3】補記:

・後述するが「君も裏切るのだろう」のムービーシーンに出ているのは初代教区長ローレンスではない。主人公ウィレームの記憶であり、ここでの「裏切り者」は名前不明の大学の教え子の一人であると思われる。

その証拠として、裏切り者が去った後の台詞まで含まれている点が挙げられる。

 

・ブラッドボーンにおける「神秘」は神=上位者に関する情報を秘匿しようという学長独特の思想を元にした能力であり、すべてエーブリエタースとその母体「輝ける星」、およびその眷属に関連する。

 

「我々は~もっと瞳が必要なのだ」から「啓蒙的真実は、誰に理解される必要もないものだ」のテキストが心境の変化を示している。

啓蒙教育を「瞳」に擬えたのは上位者の転生(涙の転生による瞳移植)システムへの対抗、「人として上位者に伍するために」の意志から。

 

 

【4】

 

邪道のサイコ派は医療教会を建て非道な実験を行うも

正道の孤児院派=聖歌隊が浄化と粛清を開始

 

生き残ったサイコ派はやがて上位者メンシスと邂逅、メンシス学派を名乗る

「瞳」の力を求めて、旧学長が眠るイズの聖杯を掘り起こし

旧学長に無限の悪夢を与え、瞳を与えるよう強要する

 

メンシス学派と聖歌隊の暗闘衝突のさなか

エーブリエタース=旧学長は自分の生涯から構成された夢の中で再び狩人となる

 

 

【4】補記:

「メンシスが得た出来損ないの脳」とは夢を扱う上位者メンシスが手に入れた、(「交信」などが大好きな)不良学生の脳である。

 

・近世の医療教会は中世の教会と時代的な隔たりが大きく接続はしていないはずで、おそらく勝手に聖杯探索+異能研究の後輩を名乗っただけである。

ルドウイークへの憧れがなぜか強い。

 

・彼らは「瞳」を「上位者から簡単にもらえるスーパーパワー」程度の認識でいる。

また「脳の瞳」と転生の瞳を混同しており、やたらと頭を開けたがっている。

 

【5】

 

夢のはじまりはビルゲンワース中期、

小さな医療福祉名目の教会を建てた頃

 

旧市街ローランの聖杯が発見され

異邦の研究者たちが訪れた結果

獣の病がヤーナム市に再流行、

病気持ち扱いの異邦人狩りの暴動に

教え子たちを救出に行った記憶から

 

しかし夢は次第に記憶の混濁となる

 

 

【5】補記:

・病気持ち狩りは市民の台詞から明らか。ホワイホワイ

水銀弾の車椅子の所にあった死体が教え子か?とも思われるが確証はない。

 

・大英帝国が植民地としていた時代のエジプトであれば、19世紀の東欧となる。

また時計塔や船渠など、ヤーナムの一部は英国の記憶が混ざっているように思われる。

 

・更に唐突なブタなど悪夢の製造元であるメンシス学派の悪意や想像、前述の通り主人公の深層意識の反映も予想され、市街の構造は混沌を極める。

 

・旧市街はローレンスの名から採ったと思われるローランである。古工房の時代から、埋もれて遺跡になるほどの歳月が経過している。聖杯の主は黒獣パール、炎上浄化に血を使い切って身を窶した火薬庫(powder-room)。後にビルゲンワースが撃破し学長が吸収したとみられる。

 

・当然、学長は事前にその危険性(獣の病)を熟知しており旧市街研究に反対の立場を取ったと予想される。それが研究熱心な考古学生の「裏切り」を招いたのだろう。

 

【6】

 

歴史上の獣化した人物を引用し

「恐れたまえよ、ローレンス」とした警句は

しかし根付かなかった

 

狂気的な実験カルト集団と化した

末期ビルゲンワースの患者救済を

献身的に支えた一人の女性がいた

 

 

【6】補記:

・中世のローレンスは近世の大学から見ると公的な立場上、存在は確実に保証され

獣化した頭蓋骨まで残っている「警句の証拠として恰好の、歴史上の有名人物」だったのである。

なお彼を初代教区長と勝手に呼んでいるのは後世の医療教会だけであり、彼は単に中世の遠征十字軍/処刑隊のリーダーである。

 

・ビルゲンワース末期と医療教会初期は重なる。漁村や実験棟の時期はここにあたる。

 

【7】

 

中世、上位者傍系血族に生まれ

存在の隠蔽で狩人狩りが預かり

老ゲールマンの工房弟子となる

 

そこで出会う眷属青年に惹かれ

しかし裏切られ涙を残して自決

 

数百年後、カインの双子の美姫

アメンドーズの一方(魂なき娘)に

瞳涙を飲ませ再誕

学長となった男の贖罪を補佐し

多数の瞳涙を飲み上位者を孕む

 

 

【7】補記:

「女王の傍系でありながら、血刃を厭ったという」

時計塔のマリアと人形のマリア(双子のアメンドーズ)、および中世のマリアの三人がおり、これは中世の最初のマリアを指していると考える。

 

・古工房はヤーナム遺跡の狩人を狩っていたので、地理的に最初のマリアはヤーナム女王の血筋の上位者候補とみられる。(隻狼でいう白い血筋の女、変若の御子と同質)

 

・落葉を捨てた「古い井戸」は古工房であり、捨て方は自決であったと予想した。

落葉使いの主人公である流血鴉が、旧知のアイリーンを裏切り殺したことに気付いたものか。なお古狩人の遺骨はおそらくアイリーンのもの。

暗殺者なので「名前は知られていない」

 

・白い血筋の女が涙を残すのは自決であり、後に「人形のような魂のない上位者の娘」にその涙を飲ませれば魂の挿入となるので、上位者の涙を飲んだ上での妊娠出産(「竜胤の揺り籠」)に拠らない復活の可能性はあり得る。「愚かな好奇」は一つの実を結んだ。

 

・時計塔のマリアの加速はゲールマン譲りでなく、父である「カインの流血鴉」譲り。

なお流血鴉は師のアイリーン譲りである。

 

【8】

 

アメンドーズは恐ろしい怪物だった、

という情報操作で存在を隠蔽、

失敗作患者達は眷属にして救済

 

ビルゲンワースは完全消滅し

医療教会の浄化と粛清が進むと

やがて学長(元青年)の雫も飲み

エーブリエータスの母体となり

ビルゲン遺構と共に海底に沈む

 

 

【8】補記:

・「小アメンの腕」が説明文含め胡散臭い内容であることからデタラメグッズであると予想した。属性が「神秘」であることも何か上位者の情報隠蔽であることを示唆する。

学長にとってカインと隠し子は「穢れた秘密」であり自伝からも隠蔽したのだろう。

 

・扁桃石は学生に見せたと見られ、石と腕からビルゲンワースの学生たちは憧れの上位者である怪物の存在を夢想した。そのため医療教会の上位者崇拝像の一部になっている。

 

・ビルゲンワースの遺構が海底に沈んだのはおそらく偶然の「星の小爆発」、即ち地震か噴火であったと予想する。

月見台の反対側、海側の門扉が、沈んだビルゲンワースの入口だったのかもしれない。

 

・ゲーム中の「眷属」属性はすべて狩人/人形の眷属を指す。海産物のためか雷に弱い模様。

 

【9】

 

腹中の赤子が悪夢に落ちた後は

赤子の精神=元学長の「狩人様」を

使者経由で探し出しサポートを行う

 

多瞳の白痴女、不浄再誕者だと

メンシス学派からの嫉妬は酷く

醜い多眼として悪夢各所に登場

 

堕胎薬の花の名に呪いを込めて

「ほおずき」女とまで呼称される

 

 

【9】補記:

・彼女は白の血族に連なる産み役(竜胤の揺り籠)であり更に上位者でもある「輝く星」である。腹中の存在が星の娘「エーブリエタース」

向日葵から輝ける星を名乗ったのは子供的だが、孤児たちが名付けてくれたのかもしれない。そして偶然か海中にも「星」は居る。

 

・先述の隠蔽が効いてか、メンシス学派は彼女が上位者であるにも関わらずその存在を敬ってはいない。ただ涙/瞳をたくさん貰った不公平な女、として認識している。

下水道のブタも「全ての穢れを吸う」(これから多眼となる)彼女を罵った形である。

 

ロマの子蜘蛛再誕者の鐘女も、彼女と仲の良かった学長の孤児院聖歌隊を示したものと思われる。

よく共に歌っていたであろう過去はほおずきが示している。

 

 

【10】

 

学長は自伝の悪夢に彷徨うも

狩人時代の記憶をベースに奮戦

奪われた「啓蒙」を拾い集める

 

「ゴース(古風)」「ゴスム(愚か)」

「メルゴー(海ゴース)」と罵倒されるも

 

上位者の瞳涙転生に対抗する為の

「脳の瞳」とは特異世界の情報

即ち啓蒙教育だ、と理解しなかった

不良学生たちの精神を逆制圧する

 

 

【10】補記:

・ゴースはgoth、「中世風」であり長命の学長を多少揶揄した呼び方、

ゴスムはgossum、より直接的な「愚か者」という呼び方であり、

不良学生から学長への悪口と予想される。

(海外版のkosコスは言葉は異なるが類似の内容)

メルはmer、マーメイドのように海を表す。

 

・「メルゴーの乳母」は「学長を育てた女」、即ち狩人師匠アイリーンを表す悪夢オブジェクトである。最強狩人として学長が学生に伝えていたのかもしれない。

悪夢の終端でその姿で主人公と戯れたのは、悪夢の上位者メンシスである。

 

「これが目覚め、すべて忘れてしまうのか」からミコラーシュは啓蒙知識を奪われ上位者の存在も忘れ、メンシスとのアクセスを遮断されたと想定される。

「内なるものを自覚せず、失ってそれに気付く」のが啓蒙の本質であり、神秘という上位者学長の本来の能力を用いたものだろう。

余談となるがメンシスの檻は単に啓蒙吸い攻撃から頭を守るためのものとみられる。

 

 

【11】

 

メンシス学派を下すも夢は続く

胎内の赤子の精神である狩人は

上位者メンシスと接触していた

 

夢の力を用いて他の上位者にも

共に赤子の魂に同化しないかと

転生の石「へその緒(瞳涙)」提供を

呼び掛けていたのだ

 

尼僧姿のメンシスは提案に同意

他の仮姿で集った上位者たちも

二人、三人とそれを遺す

 

 

【11】補記:

・テキストが存在しないのでエンディングから逆算しての補完であるが、実は彼方への呼びかけは「オドン教会に避難しないかという会話」に表現されていたという見方も可能であり、以降はそれを前提としている。

 

・別名「瞳のひも」とは、隻狼の考察から「固まる涙である」、「それは転生をもたらすものである」と解釈すると全体がまとまる。

(不死斬り相当がないのは不明。)

 

・主人公は人として産まれ(血によって人となり)、

人からカインの眷属になった際に一度産まれ変わり(人を超え)、

また上位者エーブリエタースとして再度の生まれ変わりを果たす(人を失う)ために

自分の生涯における「3本目のへその緒」を欲したのである。

 

【12】

 

ヤーナムの石、扁桃石など

母体が飲んでいた瞳涙の数々に

最後には月の涙までを加えて

 

全上位者との同化に成功した時

長い獣狩りの夜は終わった

 

 

【12】補記:

上位者と仮姿、転生の石については別途整理する。そこから浮かびあがるもう一人も。

 

涙を集め、すべての上位者を一体にまとめることで獣の病も、遺跡荒らしも、実験棟のような悪魔的研究も人類から隔離することができる。

「青ざめた血」「上位者狩り」「狩りの全う」の真の意図と思われる。

 

エーブリエタースは酩酊者(狩人)のほかably-8th(8人の上位者の混合)を指す名とも読める。

 

 

【13】

 

やがて眷属と聖歌隊の努力で

人類史から啓蒙(上位者やその眷属や聖杯の知識)は秘匿され

 

吸血鬼や狼男などは神秘の霧の向こう側のフィクションとされ

 

世界は無啓蒙な時代を迎え

獣の病もメンシス学派のような者も地上から根絶された

一人の狩人の手によって

 

 

そう、深い海底に眠る8人目の上位者と

知ってしまった貴方を除いては…

 

 

【13】補記:

そのために眷属は啓蒙を吸い、そのために聖歌隊は霧を撒く。

エンディングは現代に繋がり、またこのゲームそのものが上位者の情報(啓蒙)を示していることから、プレイヤーを巻き込むホラー的な締めが綺麗な形なのだろう。<お前の後ろに>

 

 

 

 

上位者関連考察まとめ

 

最後は一応伏字にしてみます。青空の中の、青ざめた月。

 

上位者ヤーナム ヤーナム遺跡 ヤーナムの老婆 ヤーナムの石 「呪いのミイラ」
上位者アンナリーゼ カインハースト 娼婦アリアンナ 扁桃石 「吸血鬼ドラキュラ」
上位者アメンドーズ カインハースト リボンの姉妹/人形 扁桃石 「フランケンシュタインの怪物」
上位者メンシス メンシスの悪夢 尼僧アデーラ 三本目のへその緒(1) 「夢魔」
上位者オドン 海中 オドン教会の男 三本目のへその緒(2) 「半魚人」
上位者パール ローラン 身を窶した男 (異形本体の血) 「狼男」
上位者「月の魔物」 偏屈な老人 (異形本体の血) 「ジキルとハイド」
上位者「輝ける星」 イズの地 オルゴールの娘/人形 涙石 「クトゥルフ神話」
上位者エーブリエタース イズの地 主人公 - 「クトゥルフ神話」
上位者「青ざめた月」 狩人の夢 ゲールマン 三本目のへその緒(3) 「透明人間」

 

※追記

もう一人「劇中のタイミングで新たに産まれた上位者」が居たことに気が付きました。

偽ヨセフカ、彼女も途中から悪夢の外部演者だったんですね。正体はおそらく聖歌隊のユリエ。

自ら手にかけた狂気の科学者たちの血の意志の吸収で闇落ちに至った血族の娘、

その行動と素性から主人公ウィレームの、学長時代に産まれた末娘、実験棟事件解決の実行人物であったと予想されます。

啓蒙の教師を辞めたのに、最後に学を教えたというのは親子であるなら納得のいく動機で

またそうなると上位者になり得る血はカイン血筋の母譲り、仕込み杖と戦技(秘儀含む)は父親譲りと考えられそうです。

 

末路は痛々しいですが父母に回収吸収されるのは救い。

 

これで月の魔物がなぜ、4本のうち3本でOKが出るのかの説明がつくようにもなるようです(ニュービーをまだ認識していない)。

 

 


 

以上が自分なりに読み解いたブラッドボーンの物語となります。

隻狼の考察内容を補強してくれるような展開が多く個人的には大変有意義でした。

この知見(啓蒙?)を、今後の隻狼考察にも活かしていければと思います。

 

なお考察もですがアクションゲームとしても非常に心地よく動かせるスタイリッシュな出来で、

武器防具のチョイスと成長などカスタマイズ性、見知らぬオンライン狩人との繋がりなど大変楽しめました。(一周しかしてないですが)

最初はヤーナムキャンプファイアーに葦名一心より苦戦してコントローラ投げかけましたが笑

 

見かねて(?)親切に声をかけてくださった方々に、この場を借りて感謝を。m(_ _)m

 

ではまた次の隻狼考察にて。

 

参考:

吸血鬼 - wikipedia

クトゥルフ神話 - wikipedia

ゴシック小説 - wikipedia

 

関連記事:

(番外編)【Bloodborne】隻狼考察からブラボ考察

(番外編2)【Bloodborne】ブラボ考察からの隻狼考察

 





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