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樹、竜、炎、水、そして剣と魂。エルデンリングにも隻狼と同じような要素を感じつつプレイしています。
あやかしの棲家
首無しや七面武者については、これまでの考察でも正体の見当がついていない「物理法則から外れたモノ」である。
その青白く暗く湿った印象は印象だけではなく、その居場所には以下の共通点があるように思われる。
・水気ある、またはあったような地形
・日光の当たらない、当たりにくい場所
逆にその条件に合致する場所が他にあるかと考えると、捨て牢や獅子猿のねぐらなど葦名にはそういった場所が妙に多く、
またそれらは「物理法則から外れたモノ」、怪物だけでなく白い巨大な花や、手から米を出す人物なども「そういった場所」に多く連なっているように思われる。
思いつくままに挙げてみる。
解りやすい水洞
・捨て牢-地下水道
・獅子猿のねぐら
・氷洞の首無し
・獅子猿の水場奥(白い花)
・仙峯寺 胎内くぐりの洞
「水」が以前はあったような洞
・烏の友の供養衆の下の洞穴
・首塚の首無し
・鉄砲砦奥の洞穴
考えようによっては水洞
・鉄砲砦の奥廊下
・大地蔵の毒沼(葦名の底)
・ぬしの寝床
・毒沼の古社(乾き蛇柿)
・奥の院(お米)
・水生村の岩戸奥
・隻狼が目覚めた地下壕
・神域の巫女の石室
睡蓮、お米、白蛇、獅子猿など、ざっと見る限り「白いモノ」との関わりが多くあるように思われる。
蛇柿を宿す白蛇がいることから、死魂を集め結晶化し産み直す存在の場と仮定すると、
それは竜胤の揺り籠たる変若の御子と関わるとして、過去の考察の補強になり得る。
またこの「洞穴の(元)水場」周辺には塚や墓、骸が多いように見えるのも、産まれ変わりの信仰の裏付けとなり得るかもしれない。
(この分類だと首無しも白く赤子を宿した女性ではないのか、という発見もあったが考察は別途とする)
あやかしの霧
しかし基本的に葦名の変事の素は変若水なのだから、水場なのは当然ではないかという気もするが、
では川や堀ではなく壁と天井に閉じた地形に「あやかし」が多いのは理由はないのか。
仮説として、変若水とは実は液体ではなく水蒸気、白霧の姿のほうが「物理的法則から外れた力」を発揮する形態であると仮定はできないだろうか。
であれば閉じた水場は、変若水の気体が濃く溜まる危険な実験フラスコのような状態になっているということになる。
他に滝や森林も湿度は高いといえるはずで、変若水マイナスイオン効果の高い場所はいずれも物理法則から外れた状況に実際になっている。
変若の御子の異能が連続して使えないが自動回復する点も、それならば説明がつく。
異能のお米は、周囲の大量の水の気化がその素、つまり霧の呼吸チャージ式だったのだ。
お米が、たくさん実りました
そして平田屋敷の隠し仏殿も、炎の熱に乾く前、本来は水が敷かれていたのなら、
入口の座所は絶好の霧の呼吸チャージ場となる仕掛けの構造と読み取れる。
そして変若の御子たち、少なくとも九郎は平田にいたのである。
(追記:ゲーム本編ではないがアートブックの隠し仏殿の項がほぼ裏付けとなりえた)
源の水を、祀ることさえ許されぬ
このような地形こそが御子と水の祀り場だったとするならば、かつての「葦名衆」は変若水パワースポットを奪われ、結果として本来持っていた生まれ代わり手順が奪われる、かなり悲惨な形で虐げられていたのかもしれない。
しかし考察としてゲーム情報を眺めると、奇妙な水としての言及は多いが、気体についてのテキストや台詞は少ない。
が、決定的ともいえる言及があった。
源より流れ出ずる水こそが、香気の鍵だ
「源の香気」である。
このテキストは明らかに水は香気の元としか捉えていない。
源の香気、すなわち変若の水蒸気こそ、やはり源の水の真の姿ではないのだろうか。
つまり変若水が溜まる場所ならば、
あの白い、香気まとう花が咲いておるやも
そう考えると、この本文はガス場を頼りに花を探していたのではなく、
花を手掛かりに(利用または破壊すべき)ガス場を探していた、とも読み取れる。
(隻狼は「源の香気」という言葉の意を読み違えていたか、二つの意味がある前提となる)
水蒸気は雲である。雷を纏うこともあり、また渦雲信仰そのものが変若水信仰であった、とも繋がる。
またそういう意識で見直すと、葦名の屏風絵などは水表現のセットとして、雲表現がかなり多いことに気付かされる。
(余談だがやはり白-桜、と黒-松の対比図も多い)
そしてここで改めて雷返しの図を見ると、
それはあやかしの香気を抱き留め、高所へ帰る天女の図にも見えてくる。
そして葦名侍の足元に描かれているのは、水である。
巴の一族は、かつて源の香気を集め、
宮に至ったという
以前に、この絵のモデルはかつての破戒僧で、葦名のあやかしを回収、人の形で出産する揺り籠となるため源の宮から下天した、と考察したが、
それはこの変若ガス収集、および危険なフラスコとなり得る自然地形の破壊が具体的な作業であったのかもしれない。
彼女は源の宮から流れた水霧が死者の魂を吸い、本来の人間の法則から外れた怪物を産み出してしまうため、管理責任者として不死断ちのため葦名に降りて来たのだろう。
そのため、隻狼の時代では水が無いなど要素が欠けた姿の水洞が目立つのかもしれない。
そして破戒僧たる御初代は赤子として巴を産んだと考えている。
彼女らは取り込んだ複数の魂を合体させ産むシステムの一族と予想しているので、もしかすると御初代の魂も赤子である巴の人格に混ざったのかもしれない。
そうなると魂の抜けた御初代は遺体が残ってしまうが、彼女の遺体もまた人の物理法則から外れたものであり、葦名には残せない。
抜け殻ともいえる、母でありかつての自身でもある遺体の処理方法を考えた「巴」は、
死なずが都合良いだろう
処理の難しい「蟲」と組み合わせて持ち帰って宮の門番にするというダイナミックな活用で「宮の破戒僧」を生み出したのならば、話の筋が一応は合いそうである。
ブッ飛んだ判断というべきだが、今後だれも宮に入れないよう、徹底した不死絶ちを試みたというならギリ納得がいかなくもない。
またこのように葦名の霧、変若水蒸気こそ危険という正しい判断があったからこそ
内府軍はやたらと炎を用い、湿気を追い払う攻撃を行っていたとも読み取れる。
(そして「風」もまた、妖しい霧にはおそらく有効な術といえるだろう。)
御霊の溶媒
葦名において誰かの中に誰かの死魂が移動する現象は、過去考察からの流れもあり、隻狼の深部を知るには避けられない前提のように思われる。
魂は変若水に溶け、霧となり、あるいは形代として、吸われた誰か、またはその赤子の中に蓄積する。
それを繰り返し「人」の魂を「山」のように抱えると「仙」となれるのかもしれない。
あやかしの霧が仙を産む反応の実験室、それが自然あるいは人工的に存在するのが葦名の呪いであるのならば、皆殺しによる死魂全回収は解法のひとつとなり得る。
あるいは涙の結晶(花?)でも、大量の魂をパッケージ化して取り出せるようでもある。
ただし力のあまりないものが吸魂を無制限に重ねすぎて失敗すると、おそらく内面の多重人格化に「狂う」。
狂ってしまい
誰が誰だかわかっておらぬ
代わりに差し出すものなくば
やがて狂う
体内に入り込んだ魂たちを統御する強い意志、あるいは影響なくカプセル化する(「記憶」「残滓」に留める)特殊能力などが必要となるのかもしれない。
そして魅入る、降ろす、といった単語もそうした魂の侵入を現すものではないかと以前に予想したが、
実は「忍び」という単語も、その「魂が肉体を離れ別なものに忍び込んだ」「そしてその物体を所有したものの心に忍び込む」ことを指す可能性はないだろうか。
誰かから誰か、では密かに忍ぶ印象はない。
誰かから何か、そして何かから誰か。
物体、つまり武器などでの魂の媒介である。
忍殺は、忍びにとっての息継ぎである
殺すとともに、忍びの呼吸で体と心を整える
見切ればすぐにも殺せるではないか
忍びは、そう考える
生命の吸収という、変若水に匹敵する異能。
自身の人格と人命の軽視、身と心の分離。
それが呪いの武器の精神であると考えると、妙な納得感と共に、形代を燃料とする忍び義手の存在が、不気味なものとなってくる。
葦名は「武器憑き」が「忍び」と呼ばれる世界ではないのか、というのは果たして飛躍が過ぎる考えなのか。
しかし液体状態からの凝縮とは水だけに起こる現象ではなく、
その願い、ときに刃が汲むこともあろうか
鉄を精製する過程においても、起こり得る現象なのである。
今回は魂を溶かして産み出す水の観点から。
隻狼の正体を語る前提の更に前提となる内容ですが、これまでのまとめっぽい感じにもなりました。
次回は仙峯寺は仏教ではないのでは、に続く大前提ちゃぶ台返し考察(?)、
「忍びは忍者ではないのでは」説について。
七面武者の正体も実はアイテム…?
関連記事:
【隻狼】新 隻狼考察⑯_平田の狼(胎蔵界)

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