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気ままな感想・考察ノート。基本的にネタバレです。
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今回はブラボ考察の後、その結果得た情報を隻狼の読み解きに反映してみるという

相変わらず個人的な納得追求トライです。

 

 

なお前回、ブラッドボーンの主人公の狩人の正体はウィレームであると読み解きました。

 

大前提として、究極の上位者になるというED、また「人形」やメンシス学派との関係性などはプレイヤーの思惑に関係なく

「断片テキストが示す公式(過去)設定が主人公にある」としなければ考察にならないため

(ただし各人の想像したキャラ、想像した物語が唯一の正解という考え方は誤りではない)、

 

あくまでゲーム制作側の構想を追うスタイルとして、主人公は隠された特定のストーリーを持ったもの、

プレイヤーのまだ知らない人格を持ったもの、とする前回の考察結果が今回の前提となります。

 

以下になります。前置きの話が少々長いです。

 

 


 

はじめに

 

ブラッドボーンの物語は、正攻法では解くことが出来ない。

 

すべてのテキストが精査され尽くしている現状なお、内容がほぼ解ったという考察が皆無に近いのは、

正道として単純にゲーム内文章の断片を正しく繋ぎ合わせれば、隠された情報に近づけるものではないことを示していると言える。

 

ブラボの解法はテキストを繋げて正解を得るのではなく、テキストや観察結果に逆らわない範囲内で矛盾しないストーリーの仮定に向かっていくしかない、

つまり公式テキストを綱渡りの綱でなく、道の左右を押さえる迷路の壁と見なす必要があると予想される。

時に途切れ途切れの情報迷路を進むには、邪道を行く心構えが必要である。

 

邪道のひとつはあえての飛躍である。

仮説を大量に立て、どのテキストにも否定されない僅かなものを有効仮説として

次の仮説の前提として活かしていく流れを作ることで、本編テキストという決して超えてはならない壁の内側を仮定の線で満たしてゆくスタイルである。

(そうすると待っていたかのように新たな扉が見えてくるのがブラボ/隻狼考察の醍醐味である)

「これらのテキストから〇〇ということではないか、しかしこのテキストでは…」の思考の繰り返しである。

 

邪道のもうひとつは意地悪な読み方を意図的に「仕込んである」という前提での読み解きである。

例として「ヤーナムの民」というテキストは第一印象ではヤーナム市民と読んでしまうが

ヤーナム女王の臣民、つまり地下ダンジョンに跋扈する怪人たちと読むこともできる。

 

すると以下のテキストは、怪人の異常性について述べたものであり、(こちらの方が重要だが)ヤーナム市民は普通の人間が多かったことを否定するものではなくなるのである。

 

ヤーナムの民の多くは、血の常習者である

 

これにより「しかしテキストでは」の壁を破壊できることが(非常に)多い。

 

人ならぬ穢れた血族が生まれたのです

 

「血族が生まれた」も同様である。

・血族そのものがスタートした

・血族の末裔の赤子が生まれた

いずれも「血族が生まれた」で表現できる。

 

後者を採るならば、血族そのものはビルゲンワースよりも前から存在していて良いことになるため、時系列の無理や矛盾に見える箇所を解消できる。

(ウィレームが学長を務めた時期だけで、特定の一族代々の繁栄は不可能と思われる点)

他にも教会と医療教会を別物と仮定するなど、思い込みを廃することで壊せる「テキストの壁」は無数に用意されている。

 

医療教会では、神父という敬称は使用されない

 

この仮定の上では、旧教会は「神父」がいたが、医療教会は「神父」がいないと自然に読める。

ガスコインが現実ではどちらに属していた狩人であったかも明確となる。

また医療教会は教会の「聖布」を引き継いでいる旨の情報追加が得られる。

(蛇足であるがガスコインは医療教会の神の聖体=主人公、の岳父とも予想される)

 

いずれもこれまで隻狼考察で行ってきたアプローチの適用だが、それにより得られたブラボの物語は前回考察のとおり、ほぼすべてがテキストの壁の内側で「矛盾なく各情報が繋がった」形のひとつを得ることができた。

流れと全体仮説を以下に改めてまとめる。

 

 

 

前提-ブラボ考察の導入部

 

目覚めをやり直すことができる

夢の上位者と交信するための触覚でもある

 

これらの単語などから、地域性や時系列の矛盾、異様な都市の外観や配置は「(「夢の上位者」の異能で)悪夢の中に落とされているため」と大筋のツジツマを合わせつつ全体像の仮定ができる。

 

 

偉大なるものの知識に触れた人間の物

お望みの神秘がやってくるだろうさ

 

断片的ながら様々な情報から、主人公は夢の中で「瞳」「啓蒙」「神秘」にこだわる特殊な人物とされていると考えられる。

夢の中で探す、頭蓋骨の中のもの、つまり主人公は自分の頭内にある啓蒙の記憶を探している、という気付きがポイントとなる。

 

加えて、夢に落とした側もわざわざ「啓蒙」を奪う、つまりそれに何らかのコダワリを持つものである、という内容が「敵」の予想図に加わる。

 

 

あるいは今でも学徒たちは、講義室で師を待つのかもしれない

かつてビルゲンワースのウィレームは喝破した

 

夢は普通、夢見る者の記憶から形作られる。

近代的大学や中世の城の風景が記憶の一幕だとすると、「(人の一生ではありえない)多くを見聞した長命な特殊能力者」の存在が予想され、

悪夢は異能の特殊情報(啓蒙)を「与えた側」=啓蒙と瞳に拘る学術者、ビルゲンワース学長ウィレームの記憶である、ウィレームは長命な超人であった(故に啓蒙を得ていた)という仮定に可能性が絞られてゆく。

 

また先述の啓蒙について「狂人の智慧」「上位者の叡智」いずれも主人公の記憶である(主人公は狂人と呼ばれ、また上位者でもあった)という点とも結びつく。

堂々とオバケの話をするための大学を作るなど、狂人扱いも止む無しといえるだろう。

 

 

晩年、学長ウィレームはこの場所を愛し、安楽椅子に揺れた

 

主人公狩人はかつてウィレームと呼ばれた男と仮定したうえで、ウィレーム像は夢の中に別に居ることから、若い頃の狩人自身など別の姿も夢から探せる可能性の気付きが得られる。

なお夢の中のウィレーム像は学長というよりも法王のような大仰なデザイン(=ゴス)を着せられており、触手らしきものが発生している。

 

 

我らの祈りが聴こえぬか

夢の中でも狩人とは!

 

また終盤、「与えられたい側」であった元ビルゲンワース生、メンシス学派と主人公の関係(絡まれ方)から

 

自分の数百年の狩人生涯を「啓蒙」として教えた教授と生徒であったのではという点、

主人公を悪夢に落としたのは「夢の上位者」と組んだメンシス学派だったという点、

また教えた過去人生の内容が悪夢にフィードバックされているのではという気づき、

医療教会が求める瞳を授けるよう主人公(ゴース=メルゴー)に強要しているという気づき、

それはビルゲンワースでの学びで学長は十分と考えたが学生は不十分と考えたこと、

 

等々、不安定な想像を含む仮定の先でミコラーシュの台詞による「補強」に出会い、

またここまでたどり着くと情報は相互に補強しつつ拡がりまた繋がってゆく。

(白い多眼の存在への共通する憎悪や嫌悪感、ビルゲンワースが啓蒙を与える側から奪い隠す側へのシフトを示すメモ、等々)

 

そして2周目からは記憶から作られた悪夢の情報をひとつひとつ紐解き、学長の過去に何があったか、悪夢を作った側は何を憎み何を嘲笑う形で配置したかを調査検討する「読取りゲーム」を始めることができる。

ある程度仮定と否定とを進めると、「飛べない鴉が授けてくる瞳のような石ころ」にも意味を考えられるようになる。

 

以降の情報断片の再見直し、「否定されない仮説」群から組み立てた「ブラボ主人公の過去」の詳細については前回の考察参照。

 

(番外編)隻狼考察からのブラボ考察

 

 

墓地街ヘムウィックの産となるようだ

 

ごく簡単にまとめると、主人公の狩人は人として数百年前のヘムウィックに産まれ(血によって人となり)、上位者である血の女王の眷属となって働き(人を超え)、最後は人類の未来のため一度死を得て上位者である赤子に転生した(人を失う)

その過去を踏まえ、特殊な怪物となったその「海底の老いた赤子」が、母の腹中で体験する悪夢と闘争がブラッドボーンである。

敵は悪夢のゲームマスターともいえる、上位者の瞳を与えさせようとするかつての教え子たち、および獣の病の原因の上位者たちである。

 

なお血の遺志である学長の魂は遺子となったが、死体は神の聖体として神の墓(地下遺跡)から拝領され、トゥメルと名付けられ臓器骨髄に至るまで完全バラバラにされた。それが先の骨髄の灰テキストの真意である(ヘムウィック産まれの者の骨髄から作られた灰)。

(なお墓守たるトゥメルの女王が代々継ぐ名は「マリア」である。刀を捨てた者、魂を与えられた人形、実験棟を救った者、主人公に対峙した者を含めると最低四人の存在が確認される)

 

悲惨な幼年期、一族の末裔、村の生き残り、暴力的過去、従軍経験、プロフェッショナル、過酷な運命と

主人公の生涯はキャラメイク時の過去設定すべてを満たす、長い人生でもある。

 

 

前提-ブラボ考察の結論の再確認

 

本編中の情報は以下ブロックに分けられる。

 

【過去】----【悪夢(ゲーム本編)】

      【狩人の夢】

      【現実現在】----【エンディング】

 

悪夢は過去を元に異常な圧縮再構成がされており、現在はエンディングに繋がっている。

狩人の夢は「現在見ている普通の夢」「現在かつ夢」のハブ領域となっている。

(墓石の「目覚め」とは「悪夢の攻略」を指す言葉と思われる。)

 

夢に気付かないまま組織や事件、事象を明確化しようとすると、現実ではあり得ない矛盾や無限ループによる行き止まりに延々とぶつかり続ける出口のない構成になっている。

(目覚めや灯り、ヤーナムと各「悪夢」に同ルールが働いていることが有力な証明となる)

 

吊り下げられた逆さまのルーン

自身の心の中に存在する、ハンターのシンボル

 

生まれる前の赤子は普通、母の胎内で逆さ吊りである。

現在の主人公=学長=上位者「星の娘」は海中の母体(ゲーム中で「エーブリエタース」と表記される異形。本体は腹中である)

現在の主人公=学長=上位者「輝ける星」、別名を「エーブリエタース」は自分の想い人の魂を持たせた実娘(人形/アメンドーズの双子の妹)の身体、「星の娘」の胎内にある。

腹部にロックできる巨大な異形は、「星」の眷属である上位者「星の娘、(および)エーブリエタース」

老いた赤子の上位者を内包する上位者、すなわち再誕者やゴースの遺子は同じモチーフを悪夢の中で何度も、強力だが呪われた存在として用いられているものと予想される。

 

すなわち主人公は悪夢開始の時点ではすでに数奇な過去を経た結末、胎内でへその緒による「逆さ吊りの狩人」赤子となっており、現実の視覚はまだ得ていない。聴覚は母胎の子守唄を捉えている。

狩人の徴は現実の自分をイメージするだけで悪夢から自分の夢に帰れる道理である。

 

ちなみに本編(悪夢)中のアイリーンとデュラが語る「狩人の夢」は、「狩人たちの信仰/目標」という意味であり、古工房の記憶をさす固有名詞ではない。

 

メンシスが悪夢で得た巨大な脳みそは確かに内に瞳を抱き、だが完全な出来損ないであった

 

哀れなメンシス学派(出来損ないの元学生)の大半は夢の上位者メンシスに逆に利用され脳を奪われたことがわかる。

ヤーナムの悪夢は上位者メンシスの能力と予想され、血の遺志の収集が現実結果となる領域である。

 

まことに都合のよい技術である

 

学長はそれを利用して、メンシス学派を制した後、上位者狩り=上位者のすべての血の遺志が結晶化した青ざめた血、三本目のへその緒こと瞳の紐である「上位者の涙」の収集に用いたのである。

 

 

血の遺志のアイコンは「赤子がどれほどの魂を吸収できたか」を示している。

また血の遺志、啓蒙、の他に「何人の上位者を継承したか(へその緒使用数)」の見えないカウントがあるのは衆知の通りである。

 

 

青ざめた血を求めよ、狩りを全うするために

 

そして狩りは全うされ、すべての上位者の魂である瞳(涙結晶/へその緒)はヤーナムの悪夢の繰り返しを経由して胎内の赤子に宿った。

「学はないが特別な知恵」があり、疑い深い月の魔物は納得できる数の上位者の魂が狩人に宿っていることを確認し、ようやく自己を狩人に吸収させることに同意した。

 

すべての上位者の持つ膨大な血の遺志を自らに統合し、獣の病蔓延の原因、神々(上位者)を秘すという狩人学長エーブリエタースの大望は成った、

以上がブラッドボーンの神秘のストーリーであったと予想している。

 

君の過去は過酷な試練が続いた

それには意味があったはずだ

 

そしてこの結論は、隻狼に繋がっている気配があるように思われる。

ここから本稿の本題である。

 

 

血の遺志について

 

夢に依る狩人は、血の遺志を自らの力とする

死者に感謝と敬意のあらんことを

 

血に魂が宿り、特定の体質(白または黒)の者は血を流し殺した相手の魂を吸収できる。

それを無数に獲得することで、「獣」と呼ばれる人格混在での安定を得るか、「上位者」と呼ばれる一つの魂が体内の全ての魂を制御する形になるかのいずれかとなる。

これは形代のシステムに酷似している。

 

形代は心残りの幻である

ゆえに業深いものは、形代が多く憑く

 

怨嗟を多く取り込んだ者は修羅となる、それは血に酔った狩人が獣になることとほぼイコールに見えると言っても良い。

 

またブラボ上位者は特殊な瞳を授けると言われるが、隻狼にも拝涙ほか目や涙に特別な力が備わっている点は多く見受けられる。

 

特に赤目関連はその特長が顕著と言えるだろう。血の遺志は瞳に現れ、涙以外に首を落とすことでも上位者としての意識はおそらく失われる。

「下剋上」が可能なことが、隻狼で新たに示されていたのである。

 

首無し身体を制御する蟲に新たな考察が可能となるが、それは次回以降で明らかにしたい。

 

 

八柱について

 

ブラッドボーンの主人公狩人である上位者の集合体の赤子はエーブリエタース、酩酊者であり長じた(ably)八人(8th)であると前回予想した。

 

隻狼界にそれらしい八名がいないかという推測で眺めると、気付くことが何点がある。

 

 

まず仙峯寺御子の奥の院にある童子絵。

特別な力がありそうな八人が描かれている。

隻狼だけでは全く意味不明の八名である。

 

八つ手のうちわで神隠し

 

これも「八」関連を隠すものと読める。

また神隠し神秘は、字義があまりにも似ている。

 

 

次いで身投げ場、および白蛇の社にある1+4の遺体。4人を吸収した1人が2組、と考えるなら、これは学長の赤子およびその母体と同数である。

 

学長が戦闘で吸収したパール、月の魔物、青ざめた月、メンシス

母体「人形」が飲んだマリア、血の女王、ヤーナム、オドン

 

これらの伝承さえも知っている者の墳墓ではないか、という疑いが持たれてくる。もしそうであるなら、隻狼には上位者狩り、獣狩りの夜の情報が流布されている可能性があるのである。

 

あの夜のこと、覚えておらぬのか

 

そして八人は九郎という名にまでも繋がっている可能性もある。

(なお筆者は現時点では、九郎は血の女王アンナリーゼの系譜ではないかと予想している。)

 

赤成り玉や赤目の数をかぞえると八つの転生の流れがあるのではないか、とも思えるが

この点は隻狼考察を進めることで自然と明らかになるだろう。

 

 

幻術について

 

眠っちまってる、お前さんの古い記憶を

 

隻狼の平田屋敷について、幻術は記憶をもとに別世界を再構築できる技術とみられる。

 

この幻術がもしもヤーナムの悪夢と同じものだとすると、その内部では血の遺志の継承、上位者の遺物である「涙結晶」の継承が可能なはずである。

では隻狼は平田屋敷で上位者から何かを受け取っているか。候補となる品は以下である。

 

一度目は桜雫。これまでの考察からも、実態はかなり「3本目のへその緒」に近い。

これは上位者狩りのシステムをそのまま活かしている可能性が予測される。

二度目は常桜の花。これは花が咲いた香木であり、形状からはあまり結晶感はないが

使い途が九郎に「飲ませる」という点は他の「涙」と共通しているという特徴がある。

 

またオドン教会を見るかぎり、上位者は仮の姿で幻術世界に入り会話などを行うことができた。

 

これらを渡してくれる者も、いわゆる「上位者」に近い存在だったのではないか、という示唆は貴重なものと思われる。

お蝶の特殊知識(啓蒙)の高さが伺われる所以や、仏師=梟説の補強ともなり得る。

 

そしてブラボでは、ヤーナム遺跡は地下にあり、またロマは「湖面の下」にいた。

ロマ戦は水面に逆に立っているように見えることから、上位者はみな地底、鏡の中の逆さまの世界にいるとこれまで考えてきた。

(聖杯は水面の鏡を作る道具ともいえる)

 

宇宙は空にある

 

逆さま世界の上空は、地底の深淵である。

様々な上位者の世界は円柱状で、地球が丸いならば中央にすべての円柱が重なる点があるはずなのであり、

それが「(他の上位者にアクセスする多次元の重なる点となる)宇宙は(すべての逆さま世界の)空にある」という意味とも読み取れる。

 

巫女は静かに眠っている

 

そしてロマと同様、仙郷も入口近くに水面があった。あの場所が逆さの水面下の世界であるとすると、仙郷に生えてくる植物は葉のないことから「根」の側だとも考えられる。

 

 

上下反転しても水中の根という見方に違和感はないように思われる。

 

 

そして桜竜もまた涙を残すことから、ブラボに登場したいずれかの(あるいは新しい?)上位者であるという可能性が想定される。

 

 

 

狼について

隻狼の主人公は狼であるが、ブラボには狼はいたのだろうか。

 

カインハーストの紋章は二匹の狼である。一般に吸血鬼は狼にも縁深いことから、カインハーストの騎士は双狼に象徴される存在であったのではないか、という予想が建てられる。

 

 

また、狼の異名を持つキャラがブラボにいる。旧市街の灰狼デュラである。

 

工房の異端「火薬庫」との交わりで知られるデュラは

ごく優しく、そして愚かな男だった

デュラの三人の仲間、最も若い一人が用いたという

 

悪夢ではない本当の過去では、カインハーストから来た主人公と、火薬庫、およびデュラは仲間だったのではと以前に予想した。

デュラと火薬庫は親交があり、加えてカインハーストから持ち込まれた武器を元に火薬庫が武器を作った形跡があるためである。

 

カインハーストの騎士たちが用いた独特の銃

カインハーストのそれは、より血質を重視する傾向がある

 

しかしエヴェリンのテキストでは、カインの騎士たちと複数形になっている。

 

いまや私たち、たった二人ばかりだがな

 

女王は二人だけと明言し、また銃器はブラボ世界の中世では血が火薬となる「黒の血質」の者しか十分に操ることが出来ないはずである。しかし、

 

貴公、よい狩人だな。狩りに優れ、無慈悲で、血に酔っている。よい狩人だ

だからこそ、私は貴公を狩らねばならん

 

デュラもまたカインの従僕の一人であり、また黒の血族であった可能性はないだろうか

悪夢中の女王の台詞は、彼の裏切りの後の時点の記憶(再現?)だったという形に収まる。

 

その仮定は以下すべてを満たすことが補強となり、どのテキストにも否定されない。

・黒の血族の主人公や火薬庫と友だったこと

・主人公と思想の違いから対立した過去

・カインの銃器、火薬庫武器を扱えたこと

・貴族的な言葉遣い

 

古くから血を嗜んだ貴族たちは、故に血の病の隣人であり

獣の処理は、彼らの従僕たちの密かな役目であった

 

密かに獣狩りをしていた従僕たちという複数形も満たす。主人公とデュラはいずれも血の女王の従僕であり、(隣国)カインから来て(病が流行りつつある)旧市街で獣狩りの極秘任務を行うパートナーだったことになる。

獣狩りの目的は女王の懐妊に必要な、血の遺志の収集である。

 

しかし心優しいデュラは裏切り、対立する。対立の後は白の血、黒の血を否定するために彼は灰色を選んだのであるかもしれない。

 

貴公、まだ夢を見るのだろう?

であれば、あそこでよく考えなおすことだな

 

つまり彼らの「狩人の夢」とは任務達成による血の女王の懐妊であり、

二人ともが知っているが主人公のみが帰るであろう「あそこ」とはカインハーストだった、という読み方が可能となる。

 

つまりブラボの主人公、若き日のウィレームは片割れを失った双狼、

すなわち「隻狼」と呼べる存在でもあったのではないのだろうか。

 

 

それは隻狼自身に多く残る「謎」に繋がる重要な仮定となるのかもしれない。

 

 

 


 

以上がブラボから「得られたもの」となります。接続部分の予想の箇条書きで、結論のようなものはまだありません。

 

なおブラボセキロ両者は以上のように深いつながりがあるように見え、異能のルールや過去はヒントとして参考にしてはいきますが

あくまで隻狼は隻狼内の情報で解けるとも考えているため、今後積極的にブラボから引用していくつもりは今のところありません。

 

次回からは普通の(?)隻狼考察に戻りたいと思います。

 

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

なお血族は代々「マリア」の名を用いているとみられ(超複雑な事情からですが)

「ロマ」は無思考人形、"robot" + "maria" であるのだろうと考えていましたが

「エマ」ももしかすると上位者を示す "ably" + "maria"、などであるのかもしれません。

まだまだ仮定以下の無根拠ですが、思いつきもまた重要なのでメモ代わりに。

 

 

関連記事:

【隻狼】新 隻狼考察⑭_仙峯寺の過去

【隻狼】新 隻狼考察⑮_血から生まれるもの

(番外編)【Bloodborne】隻狼考察からのブラボ考察

 

 

 

P.S.

ブラボについては最後の記事になると思うので、改めてごく簡単に、年表形式に「過去」をまとめてみます。

 

 

「輝きvs穢れた血」の時代(中世)

・血族(上位者)、遥か過去から存在。

・宗教的な教会軍隊「処刑隊」が結成。

・処刑隊、ヘムウィック村の魔女を虐殺。

・処刑隊、女王アンナリーゼの城を襲撃、

ほぼ殲滅するも女王に魅了され壊滅。

 

「狩人狩りvs血に酔った狩人」の時代

・別働処刑隊、女王ヤーナムの都市を盗掘。

・狩人と呼ばれた彼らは血の病を持ち帰る。

・狩人狩りが対処するも、病により全滅。

・特殊な浄化の炎が市民の一部を救命。

(「病めるローラン」事件)

 

「連盟」の時代

・狩人に紛れていた女王の従僕「流血鴉」、

穢れた血をカインハーストに持ち帰る。

・落とし子として穢れた血族の双子が誕生。

・鴉は逃走し数百年ヤーナム遺跡に籠る。

・鴉は連盟の長となり、遺跡を封じる。

 

「獣の抱擁」の時代(近代)

・長、名を変えて人類啓蒙を志し大学設立。

・「裏切り者」考古学のため旧市街を発掘、

獣の病が再蔓延し、現地人の暴動を招く。

・学長、旧市街の黒獣を吸収し上位者に。

(「獣狩りの夜」事件)

・学長、狂人扱いのうえ見捨てられる。

・人類啓蒙の試みは失敗として大学解体。

・学長、赤子に転生。遺体は遺跡へ封印。

・遺体はトゥメルと名付けられ聖体となる。

・学長(赤子)とマリア(母体)、最後の学徒/最初の眷属となった実娘を地上に残し海中に沈む。

 

「苗床」の時代

・不良学生が聖体悪用し「医療教会」設立、

工房や狩人など旧時代の名称を流用のうえ、

故人ローレンスを勝手に初代教区長とする。

・脳の瞳を求め、孤児院を占拠し施術強行。

(「実験棟」事件)

・「マリア(ユリエ/ヨセフカ。実娘)」が事件を制圧。

・被害者をケアの上、学長(輝ける星)の「眷属」聖歌隊とする。

・聖歌隊、医療教会を二分、やがて制圧。

・ユリエ、吸収した科学者たちの血の遺志に狂い偽ヨセフカの人格に。

 

悪夢のヤーナム

・逃亡不良学生、上位者メンシスと邂逅、以後メンシス学派を名乗る。

・メンシス学派、学長沈降地域の漁村襲撃、メンシスの力で学長の遺子を悪夢に落とす。

・赤子の魂、狩人として夢の中に目覚める。

・母体の魂、使者を用いて赤子の魂と邂逅。

・悪夢を攻略、メンシス学派を神秘で制圧。

・ゲールマン、目覚めへ誘うも狩りを示唆。

 

上位者狩り

・学長、夢を自ら繰返し上位者に呼び掛け。

・上位者の魂「3本目のへその緒」を収集。

・実娘が偽ヨセフカとして悪夢に侵入。

・上位者「月の魔物」に逃げられる。

 

幼年期の始まり

・何度かの繰返しの末、上位者全てを収集。

・月の魔物を説得、血の遺志継承に成功する。

・究極の上位者、エーブリエタース誕生。

・啓蒙は忘れられ、人類史に平和が訪れる。

 

 

 





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